言葉に出来ない(13)
ナルトに逢いたい・・・その一心で任務を終えたカカシは、報告を終えた後、すぐにナルトの家へと向かった。
早くこの腕の中にナルトを閉じ込めて、思いっきりキスし、昂る思いをナルトの中へと埋めたかった。
「いいか、カカシ。男ならビシッと思いを伝えろ」
別れ際にアスマが真剣な顔でカカシへ忠告したこともあり、言葉で思いを伝えることが苦手なカカシも出来るだけやってみようと決心していた。
ナルトの全ては俺のモノだけど、そうじゃない・・・そんな不安を取り除くために。
正直、ナルトに拒絶されたり、嫌いだと言われたらと思うと恐ろしかったが。
「・・・あれ?」
ナルトの家とは逆の方向からナルトの気配がして、カカシはピタリと足を止める。
嫌な予感がした。
あっちってあの中忍の家がある方向じゃない?
こちらへと近づいてくる気配へ向かって歩き出す。
「何でお前っていつもいつもイルカ先生ばっかりなの?」
いつもいつも・・・ッ。
自分は一番になれないのだと思い知らされる度に絶望で目の前が真っ暗になる。
好きで好きで、ホントどうしようもなく好きで、大切にしてやりたいのに。
爪が手のひらに食い込むのも構わず握りこんだ拳はブルブルと震えていた。
ナルトを目の前にした瞬間、頭の中から全てのことが吹き飛んだ。
用意した言葉も、望んでいた優しい抱擁も。
何故俺はこうも凶暴な思いに囚われるんだろう?
冷静で何があっても取り乱すことがなく、「カカシ、お前、ちゃんと人間の血が流れてるか?」と呆れられたことだってあるのに。
それなのに、今はただ喚き散らしてナルトを乱暴に奪ってしまいたいという欲求でいっぱいだった。
「ナルト、どこ行ってたの?」
ナルトが目の前に立った時、鬱積していた感情が溢れ出す。
「・・・カカシ先生」
ナルトへとゆっくりと近づき、立ち竦むナルトの腕を力任せに掴んだ。
「何でお前は俺の言うことを聞かないの?俺よりもあの中忍がいいって理由がどこに?俺がこんなに愛してるのに何で靡かないの?セックスの時はちょっとの愛撫でグズグズになるくせに、ちょっと目を離すとすぐに離れていこうとする・・・いっそどこかに閉じ込めて腰が砕けるくらい抱き潰してやりたいよッ」
マシンガンのような早口で捲くし立てた。
いくらアスマでも、ここまで暴露しろとは言わなかったが、カカシはドロドロした感情を一気に吐き出した。
強引に手に入れたくせにそれだけじゃ足りなくて、抱けば抱くほど飢えは酷くなっていく・・・そんな状況にもう我慢が出来なくなってしまったのだ。
ナルトの全てが欲しい、そしてナルトから愛されたかった。
ナルトは驚愕に目を見開き、一時固まっていたものの、戸惑うように視線を彷徨わせた。
「・・・えっと、カカシ先生は俺のこと・・・好きなの?」
泳いでいた視線がカカシへと注がれる。
「好きだから自分のモノにしたんでしょ。普通、好きじゃないとエッチなんてしないでしょうが」
少しずつ落ち着きを取り戻してきたら、今度は恥ずかしさが込み上げ、カカシはふっとナルトから視線を外した。
ドンッと腹の辺りに衝撃感じて視線を戻すと、ナルトがぎゅっと腰にしがみ付いていた。
ほわっとナルトがくっ付いている辺りから暖かくなるのを感じて、幸せな気分になってくる。
カカシは恐る恐るナルトの背に腕を回すとそのまま閉じ込めるように抱き締めた。
「俺がどれだけお前を大切に思ってるのか・・・少しはわかんなさいよ」
「先生・・・わかりずらいってばよ」
泣き笑いで震える声さえも愛しいって言ったら、お前はどんな顔をするんだろうか?
続く